ベルギーにはベルギーの寿司の形がある。
ベルギーにいても寿司が食べたくなることがある。 もちろん、日本の寿司とはネタの種類や鮮度では比べ物にならないので、ベルギーで手に入るベストなネタを使った変り種の寿司となる。白身はあきらめたほうがよい。ヒラメやスズキなどもあるが、身の締まり具合などではとうてい日本の魚には及ばない。 だが、日本ではまずお目にかかれないのが、この「フォアグラの軍艦」である。 ここ↓をクリックしていただけると励みになります。 にほんブログ村 男の料理 もともと冷製のフォアグラのパテはせいぜい40%くらいのフォアグラ比率で、後は酒や香辛料が入っての混ざりもの。これはこれで旨いが、フォアグラのソテーには敵わない。フォアグラという素材は、脂肪肝なので、いわばバターみたいなもの。火を通せば全て溶け出して脂になってしまう。 そのギリギリの火加減で味付けしたのがソテーだ。中はトロトロになって、口に入れるとまったり溶けていく。 レストランなどでステーキのフォアグラ添えというのがあるが、あれはヨーロッパの脂身のない牛の脂肪分を追加するためにあるのだ。日本の霜降り牛には合わない。その代わり、QueenAliceの石鍋さんが考案したフォアグラの大根乗せというのは日本人向き。フォアグラのまったり感と大根の瑞々しさを旨くマリアージュさせた一品で、今やフレンチの定番ともなっている。 「フォアグラに酢飯」・・・これも奇想天外な組み合わせで、オキさんのアイデアに脱帽だが、考えてみれば鰻の蒲焼きが酢飯に合うように、あっさりした酢飯と脂っこい素材を甘いタレで合わせるという意味では相性はいいのだろう。したがって、フォアグラのタレは甘い「鰻蒲焼きのタレ」を使う。 クリスマスシーズン以外は店頭に並ぶことが少ないフォアグラ・フレッシュをどこで入手するかが問題だ。 リエージュを本拠地とするUpignacのブティックが近くにあればそこが確実。もし、そうでなければ少々値がはるが、高級スーパーRobで購入しよう。 作り方は比較的簡単。 フライパンを熱したら、ステーキサイズのフォアグラを焼くだけ。 ただし、焼くとだんだん脂が出てきて、放っておけば全部脂となって溶けてしまうので、両面に焼き色がつく程度焼いたら取り出して、軍艦サイズに切り分ける。それを鰻のタレに浸して軍艦に乗せれば出来上がり。軍艦寿司というのは、思ったよりもご飯は少ない。作るときには小さめに握ることをこころがけたい。 そして、海苔はもちろんこんとび。海苔がうまくなければおいしく仕上がらない。 海苔のほろ苦い潮の香りと、甘いタレに包まれたとろけるフォアグラが酢飯と共に口の中で溶けていく。 和の素材ではありえない食感。白子などは甘いタレよりもポン酢が合うというもの。 これは、まさに和と洋の融合の最高傑作である。
by daimaoAT
| 2008-09-02 20:26
| うまいもん和
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